世界一流のエンジニアの思考法
牛尾剛(著)
本書は仕事の仕方や考え方について周囲の一流たちから学んだことが書かれています。
自己啓発本によくある著者の自分語りではなく、仕事ができる人たちを観察して得た気づきを言語化した内容です。
著者自身の意見も書かれていますが、ほとんどが客観的な話となっています。
著者は自分を三流と称していますが、一流の一流たる所以に気がついて言語化できるのも一流故だと思っています。
■一流は勉強している
一流も難しいことはわからないし、理解に時間がかかるという話は意外でした。
特に基礎の理解に時間をかけるという点は誰でもすぐにマネできる思考だと思います。
コスパだタイパだと言って、どうしてもすぐに結果を出そうと効率を求めてしまいがち。
理解しているとは簡単にいうと
・説明できる
・即実行できる
・応用できる
これは仕事だけでなくて、資格や受験勉強をする上でも大事な考えだと思います。
この界隈は短期間で合格したという話がもてはやされがちですがほぼ全ての合格者は地道に積み重ねてたどり着いています。
ただ学習能力が高い人は止まるところと進むところの嗅覚が優れていると個人的に思っています。(量をこなして習得したのかもしれない)
そして能力の高い人は理解した後
・記憶
・反復
これを欠かしません。
誰しも能力を高めるために勉強を続けているので、自分には才能がないと諦めて勉強をしなければその差は開く一方だということは肝に銘じておきたい事実です。
■脱完璧主義
IT業界は働き方は自由だけど結果にうるさいというイメージでしたが、かなり印象が変わりました。
結果にうるさいというより結果以外にほとんど口出ししないというのが正しい認識。
そして結果の中にはクオリティや納期が含まれていないことも驚きました。
クオリティが担保されないのなら納期を平気で延ばし、延ばせないならクオリティを下げる。(主要でない機能は諦める)
一流は未来が不確実なことを本当に理解しています。
不測の事態に動じないのではなく、不測の事態が起こるのはよくあることと思っているだけ。
■幸せに働く
では一流がみんな気楽に仕事しているかというとそうではなく、やりたい仕事に関しては外されないように必死で勉強しているようです。
できることだけをやっているのではなく、やりたいことに力を注いでいます。
なので仕事は楽しいし努力は苦じゃない。
なにより幸せを感じる。
成功したから幸せになったわけじゃない。
幸せだから成功している。
これは大事なことで、なにもよりもまず幸せに生きることが先、逆はない。
楽しくないこと、やりたくないことをやらないというのは当たり前のようで難しいと思ってしまうのは、私が日本の環境でしか仕事をしてこなかったからか。
今の会社で働くことに疑問を持ちつつも、それ以上に自分自身を肯定できていないような感覚がある。
幸せに働ける環境として日本(だけじゃないかもしれないが)の批判文化はみんなが考えを改める必要があります。
日本から突出した人がでないのは敵が増えるから、これに尽きると思います。
とは言え、私はまず他人よりも自己評価の低さを改めること。(私はSNSをやらないので隠れて他人を叩いたりはしていない)
自分が幸せを感じて生きることが先かなと、逆はないので。
あと部屋の掃除もやります。
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