【金田一37歳の事件簿】人狼ゲーム殺人事件をメタ視点たっぷりで予想する【15巻発売】


金田一37歳の事件簿(15) (イブニングKC)
天樹 征丸 (原著), さとう ふみや (著)

■人狼ゲーム殺人事件
14巻の範囲で推理(ほぼ憶測)
まだ犯行の動機も語られず、犯人視点のセリフだと復讐に取り憑かれている感じもない。

題材は人狼。
今更感が強いけどまだ流行っているのかな。
正直なことを言うと、私は人狼ゲームが好きではありません。
単純に面白くない。
過去にイベントをネットで見たことがありますが、ゲーム内の役割より普段のキャラクターが立ちすぎていて推測の元がそれになっていました。
この人は普段こんなこと言わないよ、怪しいとか。

ゲーム外での人間関係なども大きく影響していて忖度が酷い。
正直クソゲー。
純粋にルールだけなら面白くできているとは思う(でないと流行りもしない)が詳しくは知らない。

まあ、リアル人狼が登場した場合はこういった要素は非常に重要になりますが。
逆に作中で二人目が殺された際に、金田一が人狼の習性(ルール)を理由に安全だと言ったのは無理がある。
(犯人が人狼のルールを守って行動しているという根拠があればまだいい)

今回は推理するのが少々バカらしくなったが、フィクションにいちゃもんつけるのもバカらしい。
ここは開き直って、読者の視点(メタ視点)で考えてみようじゃないか。

■登場人物、役職

東棟
A:Alain・鬼屋敷剣”人狼”
B:Ben・鹿打七太郎”裏切り者”
C:Cathie・咲間みおり”村人”(第二被害者)
D:Dick・氷高柊也”占い師”
空き部屋

西棟・ホール
E:Eris・葉桐灯花”村人”
F:Frank・峰雪虹太”騎士”
G:Gordon・竜門峻平”村人”
H:Henry・冬樹楽人”ゲームマスター”(第一被害者)
I:Izabella・池神凛”霊媒師”
金田一・葉山

■冬樹遺体発見時の状況
東棟(あずま屋方向の足跡)あずまや(往復の足跡)GMの部屋
東西を直に繋ぐ扉は落雪で封鎖

■経緯(冬樹発見まで)
最初の議論終了、30分間夜の時間
落雪
ヘンリー(ゲームマスター)から電話
東棟からのルート確認
東棟へ連絡
夜時間終了後(ヘンリーと別れてから約10分後)、死体発見

■疑問
1、落雪
意図して起こせたか?
東西を直に繋ぐ扉を雪で塞いだのは東棟の人物をあずま屋経由にさせるため?

落雪が犯人の意図でなければ不都合なことが発生しているはず
メタ視点にはなるが犯人に慌てた描写はない、むしろ計画通りに進んでいる様子
考えられるのは以下3点
・落雪の影響がなかった
・偶然の落雪を利用した
・落雪を意図した

落雪の影響がなかった場合、西棟の犯人が東棟犯行を、東棟の犯人が西棟犯行へのミスリードができなくなってしまう(全員が容疑者)
落雪直後に電話があったので偶然を利用したのではなく、最初から意図したと考えるのが有力

2、東棟の推理
作中で東棟の人たちによる西棟の人の犯人説を話していたが論理的とは思えない
東棟の犯行に見せようとして東棟からあずま屋へ足跡をつけたにもかかわらず落雪で帰りの足跡を残せなかった
仕方なくそのまま西棟へ戻った
推理は論理的のようだが犯人の行動は論理的ではない
なんとしてでも東棟へ戻った痕跡を残そうとするはず
そもそも直の扉を使わなければ往復の足跡が残せた(行き帰りの順序が逆になるだけ)
これでは西棟の犯人が容疑者を西棟へ限定させていることになる

3、犯行可能か?
東棟からあずま屋への足跡だけを残して東棟に戻るには?
と考えてしまうが、そもそも西棟の犯人でもこの状況を作るのは非常に難しい。
東棟の推理の状況に限定されてしまうが、それだと不自然な行動になってしまう。
つまり東棟からあずま屋方向の足跡だけを残すのは全員困難である。

ということは、足跡の主は・・・?

4、H:Henry・冬樹楽人”ゲームマスター”は本当か?
金田一に落雪の電話を入れた後に、西棟に駆けつけて金田一とやりとりをしたのち戻っている
これであずま屋とはなれ(GMの部屋との)往復分の足跡がつくがそれだと殺されたときのあずまやへの足跡が足りない
金田一に連絡したヘンリーが冬樹だとするとそもそもおかしい

5、冬樹の死体発見時
GMの持つファイルから役職の書かれた封筒がはみ出していた
落雪後のやりとりではファイルからはみ出した描写はなく作者が意図的に書いている(メタ視点)
ヘンリーがGMだということは知られているにもかかわらず役職の書かれた封筒が見つかりやすいようにしたのはなぜか?

■犯人予想
犯人はゲームマスター
状況を把握できるゲームマスター以外は計画的な犯行は難しい
なんらかの細工でゲームマスターを引いたという前提で考えた方が自然かと
各プレイヤーはゲームマスターの指示に従うとされていて、コントロールしやすい状況に立てる
もともと冬樹はゲームマスターではなく東棟の誰か
ゲームマスターにあずま屋で殺され覆面を取り替えられた
※覆面を取り替えだけで中身も入れ替われるのが今回のキモかと

ただ冬樹死体発見時に覆面にも血が滲んでいる描写がある
別で覆面を用意していたか、金田一と別れた後に刺したか

Hの部屋が空室になっていることも利用できる

■犯人の行動予想
1、夜の時間にはなれ(GMの部屋)に戻らない
2、あずま屋で冬樹を殺す
3、落雪を起こす
4、はなれで金田一に連絡
5、駆けつける
6、東棟へ連絡
7、金田一と別れる
8、冬樹にHの覆面をかぶせる
9、冬樹の覆面をかぶって東棟の誰かになりすます
10、後ろ向きに歩けば片道の足跡で東棟に行ける

トリックを用いることによるミスリードの方向は、西棟の誰かが東棟の犯行に見せかけようとしたが落雪に邪魔された
作中で東棟に人たちが披露した推理になる

■咲間みおり殺人
鹿打に呼び出される
ホールに人狼のメッセージ
現場に駆けつけたが死体はなかった

何人かで談話して戻ったのちホールの内線から人狼が電話
咲間の死体発見

■談話メンバー
鹿打:現場同行
鬼屋敷:現場動向
葉桐:合流
峰雪:合流

■疑問
メッセージと死体発見の時間差
現場を確認してから死体が発見されるまでのアリバイ
メッセージを早く発見されたのは誤算ではなく、現場にまだ何もないことを確認させるため
メタ視点だとアリバイが完璧な人が怪しい

凶器はホールの甲冑が持っていた槍
東棟の咲間を殺害するために西棟へ凶器を使用した理由
西棟は金田一・葉山がいるので西棟で行動するリスクが高い
※14巻中では甲冑の描写が冬樹発見時のときにしかなく槍がどの時点まであったかは不明

東棟が施錠されていなかった
鹿打・鬼屋敷が外出していることがわかったのではなく施錠される前に殺害された

■犯人の予想
冬樹殺害の犯人は東棟にいた
実際はゲームマスターが東棟にいた冬樹と入れ替わった

咲間殺害は金田一・葉山の行動を把握・制限する必要がある
金田一を呼び出したのは鹿打で鹿打に推理談話を持ちかけたのは鬼屋敷

夕食後9時過ぎに解散した後10時過ぎに二人と合流している

さて・・・

■私の結論
分からない

ここまでグダグダ推論を並べてみたものの糸口もつかめませんでした
メタ視点なら犯人の目星くらいはつくと思いましたがどうもさっぱり
15巻発売の直前まで考えてもよかったのですが、個人的にこれ以上は時間を割けないということで

人狼という題材が個人的にイマイチだったという点加え、金田一が勝手に人狼ゲームのルールで判断し行動をとったことが釈然としない
別の人物がそんなこと言おうもんなら、犯人確定レベルのポロリかと
それから初見でフードを入れ替えることで別の誰かに成りすませると気づいてから、その視点を外せなくなって考えが進まなくなってしまいました
人狼2人体制だったとしたらそれこそ深みにハマるので考えないことに

ギブアップですが一応宣言しておきます

リアル人狼は鬼屋敷

自分なりに事件の整理はできたんで15巻が楽しみです
ここまでさっぱりなら変にカスらず予想外の結末を期待しています

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