解像度を上げる――曖昧な思考を明晰にする「深さ・広さ・構造・時間」の4視点と行動法 Kindle版
馬田隆明(著)
※12月31日まで(たぶん)Kindle版が半額です
何かを考えるときにバッと思考が広がっていく感覚を経験したことはありませんか。
考えるときといいましたが、その時の感覚としては考えるのではなく見えるとか知っているとかに近いと思います。
解像度という言葉はこの感覚を言語化できていると思います。
思考が広がってく感覚だけでなく、モヤがかかったように思考が進まない感覚も解像度が低い(粗い)という言葉で表すことができます。
ほとんどの人は後者の経験が多いのではないでしょうか。
解像度の高い人というのは同じことを見たり聞いたりしたときの引き出される情報や疑問の広さと深さが違います。
誰しも詳しいことと詳しくないことでは話せる量に違いがあると思います。
本書はスタートアップを基準に解説した内容となっていますが、日々のあらゆる物事に使える考え方です。
私が本書を読みながら解像度の高い人としてイメージしたのが将棋や囲碁のプロでした。
将棋や囲碁のプロの読みのイメージがそれで、読むというより見える感覚に近いとか。
筋に関しては既知のように解説されます。
視野も広く深く、ある局面を見たときの情報量の多さに驚愕します。
タイトルの実績があるようなトッププロだとそれをしっかり言語化してくれます。
これまでは言語化能力とかトークスキルの高さだと思っていましたが、実際は解像度の高さなのかもしれません。
鮮明に局面を把握できるからこそシンプルな言葉で表現できるのだと思います。
(もちろん解像度を粗くして初心者や級位者向けの話もできる)
そういう人たちはどのようにして解像度を上げていったのか。
それは日々の勉強でしかありません。
研究、対局、詰碁、観戦とひたすらに浸る。
解像度を上げると聞けば天才的な視野を想像するかもしれませんが、その正体は努力の賜物。
藤井聡太も羽生善治も井山裕太も他を圧倒するほどの熱量で盤に向かってきたからこそ。
本書でも解像度を上げるためにひたすら手を動かして書いて考えることをスタートとしています。
粘り強く考え、絞り出し、行動し、考える、この繰り返しです。
ネットで調べたらすぐにわかるというが、脳内知識の引き出しと比べたら非常に鈍足。
ネット検索の弱点は知識や情報が派生しないところにあると思います。
1つ調べたらそこから枝分かれして何十もの結果に行き着くことはなく、何十ものことを検索にかけないといけません。
洞察力と言われている能力の正体は豊富な知識と経験。
閃きは地道な積み重ね、粘り強い試行錯誤の上に降りてくるもの。
本書は凡人が天才に近づける可能性を示した希望の書です。
私はゲームが趣味なので解像度といえばモニターの画質性能を思い浮かべるだけでした。
が、ゲーミングモニターについてはある程度の知識があったので、本書の考察がピッタリとハマったのだと思います。
以上、なんとか絞り出して本書の感想を書きましたが、まだまだ解像度が低いと痛感する次第です。
なので私が言えることは、本書を実際に読んでほしい、それが一番伝わります。(はあ)
※繰り返しますが、Kindle版が半額です。(上記リンクからぜひ)
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