先週は農心杯と新人王戦がありました。
農心杯は初戦の芝野虎丸九段が善戦できなかったのが残念でした。
ただ中継を見ていて印象に残ったのは、相手の韓国の選手は一切緩んだ様子を見せなかったところ。
むしろ、絶対に落とせない碁となって緊張感すら感じられました。
国内で厳しい戦いを勝ち抜いてきたことが伝わってくるほど。
妙手・鬼手が飛び交うんだろうなと。
新人王戦は外柳三段が制しました。
最初で最後の大舞台という気持ちで臨んだそうですが、さらなる大舞台を目指してください。
昨年の新人王関航太郎は天元戦の挑戦者になっていますので。
上野さん勢が多い中、言ってみればアウェーの中(囲碁界では珍しい体験)勝てたことは非常に大きいことだと思います。
繰り返しますが、これを最後だと思わないで欲しいです。
【10/19】【10/20】
【第6局1日目】第46期名人戦挑戦手合七番勝負【井山裕太名人-一力遼天元】
第5局は不調かと思われた一力挑戦者が勝って名人位まであと1勝。
この勢いで・・・と勝てる相手ではないと思うので、気負わず臨めるか。
天元戦の防衛に向けてここで決めておきたい・・・などと勝負を焦って忘れ物をしないように。
本因坊戦・碁聖戦に続き名人戦でも先に追い詰められた井山名人。
ただここから強いのは周知で追い詰められたと見ている囲碁ファンは少数派かと。
ひとつ、一力挑戦者の不安要素。
第5局は勝ったものの、序盤で遅れてしまう展開は相変わらずの課題かと。
逆に言うなら井山名人の序盤感覚の冴えが光るとも言えます。
最後に大石にクリティカルヒットが決まってしまいましたが、ギリギリの戦いはむしろ名人のペースだったと思います。
注目は井山名人のカド番神話でしょうか。
【10/21】
第47期名人戦最終予選準決勝【謝依旻七段ー常石隆志四段】
趙治勲に勝って期待高まる謝依旻七段の女性棋士初の名人リーグ入り。
言い方悪いですが、3枠の中では一番チャンスのあるところに入ったと思います。
1枠は地獄。
高尾九段、河野臨九段に棋聖戦Bリーグ優勝の孫7段とこの3名で3枠埋まってもおかしくないメンツが1枠を争います。
3枠の村川九段と余正麒八段は予選にいる棋士ではありません。
2枠は本命は伊田八段と依田九段ですが、一回戦で潰し合うことに。
個人的な好みで話すなら、趙治勲がリーグ返り咲きの大チャンスだと思っていたくらいで、そこに勝っちゃったのが謝依旻七段。
伊田八段が最有力なのは変わりないですが、他の枠と比べたらかなり緩いと思います。
謝依旻七段はここは勝って、予選決勝にマスコミをたくさん引き連れてくれたらと思います。
【10/22】
【第3局】第40期女流本因坊戦挑戦手合五番勝負【藤沢里菜女流本因坊-星合志保三段】
好調の藤沢里菜女流本因坊でしたが、10/18の河野臨九段に負けて連勝ストップ。(11連勝)
内容は見ていませんが、終盤のミスで逆転喰らったらしく河野臨九段といい勝負していたようです。
女流本因坊戦の次は十段戦本戦で孫七段と。
やっていることがトップ集団と変わりません。
星合三段はこの難敵とどう戦うか。
時間を使ってリードできないという構図は、中韓との戦いにも似ています。
中終盤に時間を残すことの大切さは呉清源先生の話でも出てきます。
大切というか、勝負所で秒を読まれるのは理屈としておかしい、とのこと。
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